「障がい者への『性教育』」

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「思春期」というものが誰しも来るわけですが、
発達障がいを含め、障がい者への「性教育」をどうすべきか迷っています。
当事者の方の考えを聞いてみたいのですが、どうなんでしょうか?


<答え>

朝倉美保です。

発達障がい当事者としての答えになってしまいますが、
一つの参考にしてみてください。

「障がい者」は「素直」「実直」です。

うまく嘘がつけませんし、見たものを見たまま「言葉」にして言います。
疑問に思ったことも、思ったまま言ってしまいます。

それが良いところなのですが、
「性的なこと」になると「恥ずかしいこと」とわからない時はそのまま言ってしまいます。

何が「恥ずかしい」ことなのか「よくわからない」のです。
私も小学校の時、そういう経験をしています。

私の学年は「例年より幼い」と言われていて、学校での性教育が遅れていました。
通常だと、4年生の時には「性教育」の時間があったそうですが
私の学年は6年生になるまで実施されませんでした。

「無知」だったからこそ、起こったことかもしれませんが
今でもはっきりと思い出せるほど、衝撃的な思い出があります。
小学4年生か5年生の時だったでしょうか。

女子は早熟な子が多く、
性教育の前に「生理」になり、「ブラジャー」をしている子が半分以上いました。

と言っても、
全学年で女子は18名。半分といっても9名ですが。

 

そんな中、体も精神的にも成長が遅い、私がいました。

私は4年生の時には、すでに不思議なことでいっぱいでした。

「どうして体育の時、時々女子はブルマでなくて長いジャージを履いているのか?」

「胸が大きい子がいるのは、なんでなのか?」

「どうして、時々、女子はトイレで内緒話をしているのか?」
家でも「性」の話なんて、出たこともなかったので
本当に「性」のことは「真っ白」の状態でした。
ある時、女子数名でトイレに一緒に行きました。
そうしたら、また内緒話をしていました。

「なになに?どうしたの?」
と普通に聞くと、
小さな声でこそっと
「○○ちゃんが、生理になっちゃったんだって。ナプキン持ってる?」
と言われました。

私には、さっぱり言っている意味がわかりませんでした。

だから、普通の大きな声で

「ねーねー!『セイリ』って何〜?!」

と、言ってしまいました。

友人たちは焦って
「シー!やめてよ、恥ずかしい!」
と言いました。

「え?恥ずかしいの?何が?」

というと、呆れた顔をしていました。

家に帰って、母親に
「セイリ、って何?今日、友だちが言ってたんやけど。」
と、聞くと
「あー、生理な。もう教えとかなあかんのかぁ。」
と教えてくれました。

そこで、初めて「ナプキン」の存在を知ったのです。
テレビを見ていると、たまに流れる「ナプキン」のCM。

私は、教えてもらえるまでは
「若い女の人でも、小さなオムツするの?あんな小さいので大丈夫なん?」
と密かに思っていたので、やっと納得できました。
おかしな話です。

そして、その話を母親としている時の
姉の態度が「恥ずかしそう」だったので

「あ!これは、恥ずかしいことなんや!」

と、やっとわかったのです。

 

その日から、やっと「生理」「ナプキン」がわかったわけですが
時、すでに遅し。

この後、女子たちに誘われてトイレに行くことはありませんでした。
特に、一緒に行きたかったわけでもなかったので、全く問題なかったんですが。
そして、女子校に進学した私は、また衝撃的な場面を見ることになるのです。

女子校の中では「生理」「ナプキン」は恥ずかしい言葉ではなく、
堂々と飛び交う言葉でもあり、目の前でナプキンの貸し借りが起こるところだったからです。

私の中では、すでに「恥ずかしいこと」カテゴリーに入っている言葉なので
慣れるまでに時間がかかりました。

「なんだ、このやり取りは!!!恥ずかしくないの?!いいの?!」

自問自答しながら過ごしているうちに、
私も数年後には堂々と「生理」と言っているのでした。

 

高機能の自閉症である私でさえ、こうなんです。
本当の自閉症、知的障がい、ならどうなるでしょうか?

 

「障がい者」は良くも悪くも「真っ白」な脳を持っています。

そして、「曖昧な表現」では「伝わらない」人たちでもあります。
「学校」がなかなかしてくれないことがあるのなら、
「家庭」で教育しなければなりません。

ちゃんとした「性教育」をしたいのであれば、
はっきりと、生々しく、教え、実習する必要があります。
私の中で一番上手な性教育をしてくれた人は、中学の保健体育の先生です。

女子校の性教育ほど、生々しく、実用性に富んだものはありませんでした。
先生は「同性」ですから、先生も「堂々と」見せて教えてくれました。

女性の体の仕組み、妊娠をする方法、妊娠から出産まで、の普通のことから

「コンドームの正しい付け方」「ブラジャーの役割、正しい付け方」
「妊娠しないために、注意すること」「男性との付き合い方」
「生理中に注意すること」「性病について」など

実用的かつ、分かりやすい授業をしてくれました。

コンドームをつける実習なんか、
恥ずかしくて仕方なかったですが興味津々でもありました。

それが「思春期」というものでしょう。

 

隠してはダメです。

堂々と、恥ずかしげもなく、真剣に教えること。

「性」について知ることが、どんなに「人生の中で大切なこと」か、話すこと。

「性」のことは「コソッと話すようなこと」であることも、教えること。

 

なんども書きますが、

障がい者は「素直」で「実直」です。
教えられた通りに、素直に聞きますし、教わろうとします。

「性教育」の時期はそれぞれかもしれませんが、
もし成長が早いのであれば、成長に合わせて早く教えることです。
私は、女子にしては成長期が遅く、中学の時だったので
結局、中学3年まで生理は来なかったのですが
それはそれで「不安」になりました。

「私、本当に女かな?」

とずっと悩んでいました。

だからと言って、誰に相談したらいいのかもわからず、
一人で抱え込んで悩んでいました。

今なら、保健室に行くなり、母親に相談するなりして
産婦人科に相談に行っていたと思います。

そんな判断もできないのが「障がい者」なんです。
「知識」「知恵」を早めに与えておくことは、決して悪いことではありません。
「性教育」を避けて、結局「妊娠」して大騒ぎになることもあります。

だからこそ、「正しい知識」をちゃんと教えることです。

「性について」教えることは、戸惑いもあるでしょうが
「隠す」と余計好奇心を持って、変な知識をつけてくることもあります。

こういうことこそ、しっかりと真剣に教えて欲しいと思います。

 

朝倉美保

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